東京店の川本です。
「BAR SORA」のマスターが、ちょっと最近凝ってるんですと言っていたXTC。パンク・ニューウェイヴ勃興期の70年代後半デビューということでまさに「BAR SORA」のコンセプトにずっぱまりのバンドです。
先日店におじゃました時にはBBC製作の特別番組かなにかに様々なバンドが出演している番組のDVDの中でXTCも出てたんですが、いや~異彩を放ってましたね。初期XTCでしたのでパンクの要素が濃いんですが、普通のパンクの雰囲気じゃないんですよね。
コーラスの入れ方だとかキーボードの奏法にしても、一言でいえば変態なんですよ、このバンドは。その後、ビートルズ、ビーチボーイズ等の影響を色濃くしていき、音はポップになっていきましたがこの変態ぶりはさらに磨きがかかっていきます。
そしてこの「スカイラーキング」は、86年にリリースされた彼らの最高傑作の呼び声も高いアルバムです。プロデューサーにトッドラングレンを迎えて製作されたのですが、中心メンバーのアンディパートリッジはなにかとトッドと衝突しまくって、作品の出来には最後まで不満だったようです。
変態vs変態みたいな個性のぶつかり合いの構図で、どっちもどっちって気もしますが、お互い変態は変態なりのプライドがあるんでしょうなぁ。けれど作品は統一感を持った素晴らしい仕上がりになっています。またこの後の作品はさらに繊細なタッチを深めていくという意味で、転換になった作品といえると思います。
今現在ではアンディ一人になってしまったXTCです。「最近の作品はアナログ盤ではなかなか見つからなくて」とマスターも苦笑いでしたが、まだまだ変態楽曲を生み出していってもらいたいものです。