東京店の川本です。
ついにこのアーティストを取り上げることとなりました。そう、ツェッペリンです。この偉大なバンドについてどう表現すべきなのか迷うところですが、ここは素直に先日「bar sora」で耳にした音をもとに語ります。
ツェッペリンというとⅠ、ⅡやⅣをあげる方々が圧倒的に多く、後期の方が良いと言ったら熱心なファンに叱られそうです。けれど私は学生時代にレコードレヴューで絶賛されていた初期のアルバムを聴いて、なんてオールドスクールで退屈なサウンドなのかと思ってしまったのでした。
前作の「レッドツェッペリンⅣ」は歴史的ロング・セラーとなり、ロックの古典とも言うべき地位を獲得しましたが、この「聖なる館」はバラエティ豊かな楽曲を、アメリカ市場を意識したクリアな音質で提供する、というコンセプトで制作が進められました。
結果、全米・全英ともに1位になりましたが、華々しいチャート・アクションとは裏腹に、当時は批評家からは散々にこき下ろされてしまったそうです。ファンクやロカビリー風な味付けの楽曲は、いずれもジョークと称すべき曲ですが、大方の批評家は真剣に「ツェッペリンは軟弱になった」と非難したのです。
実に愚かな評であるかはいうまでもありませんが、このアルバムはツェッペリンのもつ表現の自由度が格段にアップした作品だと思います。Ⅲのアコースティック路線もそうでしたが、ハードロックという狭い範疇をはるかに超える可能性をジミーペイジはとらえていたと思われます。
「Over the Hills and Far Away 」。この曲は、後期ツェッペリンのまさに代表曲です。多様なギターの音色、緻密なアレンジ、大胆な静と動の転調、間違いなく彼らの最高傑作の一つだと思います。昨夜は「bar sora」の素晴らしいサウンドシステムで、イントロの静かなギターのリフを耳にしただけでイってしまいそうになった私でした。