東京店の川本です。
久し振りに途中下車で新橋の夜の街に。いつものロックバーを目指して居酒屋の連なる通りをすり抜けていくと、割と早い時間にもかかわらずどこの店も混んでいて、オジサンたちは 熱く、話し声が大きい。本当に不況を感じさせないタフな街だと思います。
今年新作をリリースして20年以上にわたるキャリアの貫禄を見せつけたデペッシュモード。80年代のデビュー当初はニューウェーブ色が強かったものの、徐々にインダストリアルな音を取り入れ始め大成功を収めたバンドです。ダークで内向的なイメージで日本では知名度はいまいちですが、欧米ではスタジアム級の人気を誇ります。
彼らの傑作のひとつ「ミュージック・フォー・ザ・マスィズ(1987)」は実に英国人らしいシニカルなタイトルです。自分達の音楽が、大衆向けではなく、内向的な人間(要するにオタク?)に受け入れられていることを知った上で、あえて挑発的な態度を表明したのです。実際にはこの作品は欧米で売れに売れ、101公演に渡る世界ツアーが敢行されたのです。この後バンドはキャリアの頂点を迎え、そして崩壊の道をたどります。サウンドの要だったメンバーの脱退、薬物過剰摂取による自殺未遂などのトラブルに巻き込まれるのです。
エレクトロニックな音ながらゴス系やハードロック、メタル系にもファン層がみられる珍しい存在です。オタクが欧米のメジャー制覇した稀有な例とも言えるでしょう。「Stay Up Late」ではあまりかからないタイプのバンドですが、この日2曲もリクエストしてしまいました。