東京店の川本です。
昨夜は久し振りの池袋行きとなりました。此処は若い衆が多いので不況だからといって賑わいの様子があまり変わらないような気がします。そういう意味では新橋や神田とは全く正反対な感じですね。女の子相手にティッシュ配りをしている連中や街頭ギグの聴衆などをかき分けるように「bar sora」にたどり着きました。
その日は社長によるLPの持ち込みがありました。プリファブスプラウトの「スティーヴマックイーン(1985年)」です。派手なチャートアクションとは無縁の地味ながらも美しいメロとみずみずしいサウンドが特徴の音作りのバンドです。今回改めて聴いてみると、トーマスドルビーのプロデュースも見事ですが、なによりリーダーのパディマクアルーンの楽曲の素晴らしさです。
映画俳優としてのマックイーンが云々じゃなくて、ただ彼の名前の響きが好きでこのアルバムタイトルをつけたと言っているそうですが、そのタイトルといい、アルバムジャケットといい当時の彼らの雰囲気をよく表していると思います。
80年代当時「ネオアコ」と称されるポストパンクの流れから派生した音楽ジャンル(スタイル)があって、アズテックカメラ、ペイルファウンテンズなどと一緒にこのプリファブスプラウトも語られていたと思います。その後日本でも影響を受けたフリッパーズギターがメジャー・デビューしてブレイクを果たすと、メディアでネオアコのアーティスト達が紹介されたり、「渋谷系」と呼ばれたシーンが盛り上がっていったのです。
因みに当時私は全く関心がありませんでしたけど、日本と英国というのはこういう音楽に対するリスナーの嗜好は似ている部分がありますね。