東京店の田上です。
中央競馬会は、1987年の日本ダービーを制したメリーナイスが1日に繋養先の北海道浦河町の牧場で病死したと発表しました。
メリーナイスは、いわゆる「四白流星」で馬体が栗毛という華麗で美しい馬でした。「四白流星」とは、脚の先が4本とも白く、顔の額に星が流れるように白くなっている状態である特徴を持っていることです。
競馬の本場であるイギリスの古くからの民謡に、『四白の馬が生まれたら見知らぬ人にくれてやれ、三白なら走らせてみろ、二白ならまあまあ、一白ならどんな事があっても手放すな』というのがあるそうです。四白はアメリカや日本でも縁起が悪いとされているのですが、競走馬では珍しいですけども活躍馬は何頭かいます。その四白の代表馬の一頭がメリーナイスであり、世代のナンバーワンを決めるダービーを勝ったのです。
当時宮本輝の小説「優駿」が中央競馬会の肝入りで映画化され(斉藤由貴や仲代達矢、緒方親子らが出演)、メリーナイスは映画作中に登場する競走馬オラシオンのモデルにもなりました。
ダービーで頂点にたったメリーナイスでしたが、その後は菊花賞で惨敗し、同じ年の暮れの有馬記念ではスタート直後に落馬して万馬券を演出するなど主役にはなりきれず、引退後もさしたる活躍馬を輩出することはできませんでした。
ですがあのダービーという一世一代の舞台で、6馬身という大差でぶっちぎったメリーナイスの美しい雄姿は忘れられません。その後に中央競馬会で作られたメリーナイスのポスターのキャッチコピーは、「四白流星、六馬身」でした。合掌。