比較的暖かかった道内も今週に入ってぐっと気温が低くなってきました。
またまたゴダールネタですが、このダイヤリーを書くにあたり、ゴダール映画のDVDを見直してみました。久し振りに見て感じたのは時代の空気です。今回取り上げる「中国女(1967年)」は、翌年のパリ五月革命を予言した映画といわれ、騒然とし始めた世相を背景に、政治的な色合いを強めた作品です。
その五月革命は、中国の文化大革命とともに世界的学生反乱を波及させ、ヨーロッパ各地や日本の全共闘にまで飛び火しました。
映画は5名の男女が議論と共同生活の中で毛沢東主義者になっていくのを、ある場面ではドキュメンタリー風に、またある別の場面では寸劇風に滑稽に描いています。赤い表紙の毛語録、北京放送、スローガンの落書きなどが小道具としてちりばめられています。
この頃監督のゴダールはアンナカリーナとの破局が決定的にり、この「中国女」に出演しているアンヌヴィアゼムスキーを新たなパートナーにしています。単に自分の映画に出演している女優に監督の立場を使って手をつけるエロオヤジみたいですが、公私とも過激なゴダールだから許されることでしょう。
そしてYMOにも「中国女」という曲があります。彼らが大ブレークして世界ツアーをしているときの「中国女」を演奏している様子では、ぴょんぴょん飛び跳ねながら演奏するゲストミュージシャンの矢野顕子の髪型が、中国人女性風でこの曲のイメをージにぴったりだと思いましたね。彼らのいつの時期のツアーでも必ず演奏された定番曲でした。