札幌店の三上です。
セブン&アイ・ホールディングスは、傘下の西武百貨店が運営する札幌店を9月末に閉鎖すると発表しました。JR札幌駅の大丸との競争激化で販売低迷が続き、収益改善は難しいと判断したと報じられました。
ピンとくる人たちが少ない時代になってしまいましたが、もともとこの札幌西武は、札幌で最も古いデパート「五番館」だったのです。明治39年、札幌興農園が札幌で初めての百貨店を開業、電話番号が5番だったということから「五番館」という名前が付けられたのです。
札幌駅前に建つ赤レンガの洋館は、横浜の西洋館を模したもので、明治時代の駅前地区のランドマーク的な存在だったといいます。やがて、大正7年に丸井今井百貨店が、昭和7年に札幌三越が開業しても、五番館は札幌市民のための百貨店としての地位を守り続けました。しかし市民に親しまれた五番館にも業界再編の影響は訪れ、平成2年に「五番館SEIBU」と西武グループの資本が入り、やがて「五番館」の名前さえも消滅していくことになります。そして今回ついに100年以上の歴史に幕を下ろすこととなったのです。
今年になって道内の百貨店は存続問題に直面して揺らいでいます。時代の流れとはいえ、長年親しんできた商業施設がなくなるのは非常に寂しい気がしますし、この西武にしても売却方針ですが、いったいどんなところが買うのだろうかと思ってしまいます。