東京店の川本です。
昨夜は久し振り(?)に「BAR SORA」に行きました。
新宿のゴールデン街、渋谷ののんべい横丁などと同じく昭和の雰囲気を醸し出す栄町通りですが、マスターのお話ではついにこの一帯も再開発されてしまうようですね。確かに東京のターミナル駅のすぐそばのところに異空間ともいうべき酒場が、今現在あるということ自体奇跡的ですが、なんだか寂しい話です。
さて、スティーリーダンの「ガウチョ」です。
この世の中にこれほど精密に作られたロックがあるだろうか、という名盤です。
いや、このアルバムだけ聴くとこれがロック?というジャズのエッセンスがたっぷりのサウンドなのですが、これは紛れもなく進化形の「ロック」です。
グループの進化とともにどんどん正式メンバーが減っていき、最終的にこのアルバム製作時にはベッカー&フェイゲンの2人になってしまったように、スタジオミュージシャンをじゃんじゃん起用したことから、時間はかかる、金も膨大にかかるってなことで大変だったようです。そのおかげでこのアルバムは類まれなセンスと、スーパーテクの応酬満載の大名盤になったというストーリー。勿論楽曲の良さも秀逸。
最早この2人はミュージシャンというよりは、プロデューサーの仕事そのものです。自分らで演奏してないのにそのバンドのアルバムと言えるのか、という声も当然ありえますが「だってそいつらの方が巧いし良いものができるんだから」と開き直ったようなこの姿勢、究極のアウトソーシングだぁ。
妥協を一切許さない計算しつくされた一音一音が「BAR SORA」の音響で忠実に再現されます。これもまた一つの快感です。