札幌店の三上です。
今週三連休明けの北海道はまるで冷凍庫のなかのようです。昨日美瑛など11月としては観測史上最低の気温マイナス20℃を記録しました。急に寒くなりすぎても冬物販売に好影響といかないですし、最近の円高で北海道への外国人旅行客にも影響しているようで札幌の中心街も本当に静かなものです。
というわけでまたまたゴダールの話ですが、本日は ゴダール最後のモノクロ映画にして唯一の青春映画「男性・女性(1966)」です。そうはといってもゴダール流の展開はいつもの通りで、15のエピソードからなる本編は、インタビューや象徴的なエピソードの堆積によって当時の社会情勢を素描するスタイルです。
米軍将校の車に「ヴェトナムに平和を」なんて落書きをしつつも、セックスのことが頭から離れない男達。うぶでキュートな新人歌手のマドレーヌ。アメリカ化=資本主義化するフランスとそれに 抵抗する新左翼の政治的対立が、歌手になることや私娼になることで資本主義のシステムに組み込まれていく女性と、ベトナム反戦運動や労働運動に組みすることでそれに抵抗する男性の恋愛とも対立ともつかない微妙な関係を通して描かれています。
主役のポールに扮するのは、ヌーヴェル・ヴァーグのアイドル、当時21歳のジャン=ピエール・レオであり、マドレーヌに扮するのは、日本でも人気のあったアイドル歌手、当時19歳のシャンタル・ゴヤでした。65年の冬のパリを舞台にマルクスとコカコーラの子供たちの生態を明晰に刻んだ映画なのでした。