東京店の田上です。
米自動車大手ゼネラル・モーターズ傘下のスウェーデンの高級乗用車メーカー、サーブが今日事実上の経営破綻し、法的管理下での再建手続きを裁判所に申請しました。
今回GMとサーブは、こうなる前にスウェーデン政府に資金援助を求めていましたが、なんと政府はGMとサーブ側の経営改善策には問題が多いとして拒絶したそうです。GMには自力でサーブを再建する余力がなく、サーブは身売り先を探さざるを得なくなったのです。
日本ではシトロエン、プジョーとともにセゾングループにより長く輸入されていました。その後当時ポルシェの日本総代理店でもあったミツワインターナショナル、そしてヤナセに輸入権が移りましたが、特にバブル期にはそれこそ華やかな芸能人やサッカー選手などに非常に人気がありました。
GMの有力ブランドの切り離しは今後もさらに加速しそうで、大幅な規模縮小に追い込まれそうです。今後の焦点は欧州市場の縮小で経営難に陥っているドイツのオペルだそうです。3兆円という途方もない額の赤字、6兆円を超える債務超過とあれば仕方のないことだと思いますが、オペル分離に追い込まれた場合、GMの世界販売台数は2007年(937万台)の半分余りの500万台程度に落ち込みます。2007年というのは、トヨタと自動車販売台数を争ってまだ僅差の首位だったわけですから、短い間の状況の悪化には隔世の感があります。今回の不況の及ぼす悪影響のスピードの早さに震撼します。
我々の紳士服業界でも高いブランド品が売れにくくなり、高額のロイヤリティーの負担に苦しんでいます。今後本当にブランドは必要なのか、どう残っていくのか見極めていきたいと思います(今日もマジ)。