東京店の川本です。
今週はクリスマスウィーク。クリスマス当日に向けて色々なイベントを考えていらっしゃる方も多いと思います。ところで英国チャートで非常に面白いことがあったので今日はその話を書きたいと思います。
このクリスマスウィークにシングルチャートでNo.1になることはある意味特別のことですが、「The X Factor」という英国で非常に人気のあるオーディション番組がありまして、実はここ数年はずっとその優勝者が初めてリリースする曲が必ずNo.1になっていたのです。
何週にもわたってコンテストが行われるのですが、ちょうどクリスマスの前に決勝があり、デビュー曲がクリスマスウィークNo.1になるという段取りです。どれくらいその番組が人気があるかというと、勝ち抜いていく出場者がコンテストで歌う以前のヒット曲(つまり元曲)が、突然復活して上位にチャートインしてしまうほどなのです。
ところがそうした予定調和の展開を嫌う人たちが英国にはいまして、あるSNSで、今年は「The X Factor」で優勝したヤツの曲がクリスマスウィークにNo.1になるのを阻止しよう、というのが大盛り上がりになったわけです。そして代わりにNo.1になるべく選ばれたのが、最もクリスマスに相応しくないレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの1992年のシングル「Killing In The Name」でした。
どうやってNo.1にするのかというと、とにかくウェブ上でこの曲をダウンロードしまくったようです。それこそ何千・何万回も。実際の流行りには一切関係なくそれだけで「Killing In The Name」はNo.1になったのです。本当にネット上の悪意の結束というのは底知れないものがありますよね。ちょっとしたイジワル心が、これだけの国のチャートをも操作してしまうほどになってしまうのですから。かわいそうに優勝者の曲は初登場2位に終わりましたとさ。