東京店の田上です。
銀座に業界初となる染元・織元の産地工房直送の着物ショップ「いち利」がオープンしました。「着る機会がない」、「なんとなく敷居が高い」というイメージを覆すカジュアルな店という触込みです。これは紳士服の高級オーダーのサロンにも通じる要素があり、非常に興味深いです。
店はとても着物の店とは思えないつくりになっていますが、様々なブティックや美容室を設計した方がデザインしたモダンな雰囲気です。
ここでは着物の販売だけではなく、1階には日本茶カフェでこだわりの茶器で上質な日本茶を堪能でき、3階には着物と和に関する教室を併設するなど、これまでの呉服屋にはない試みがなされたいます。
カフェやバーの併設は最近のブランドショップでは流行りですが、日本トップクラスの茶師が選び抜いた高品質のお茶が楽しめ、しかも各テーブルに一人、日本茶指導を受けた専属スタッフが対応するなどワンランク上のカフェなのだそうです。
このショップを経営する会社は、着物事業のほかにも、「レンタル」、「ウエディング」、「フォトグラフィック」などを事業展開しており、上場も狙おうかという会社さんなのです。
もともとの着物事業においても、製造元からの委託販売の形態をやめ、現金仕入による買取制度という画期的なやり方を実施したのだそうです。おっと、なんかちょっと我々にとっても耳の痛い話じゃないですか。
このように構造的にも対称顧客も紳士服のオーダー業界に似ている部分があるんですよね。従来の枠組みをはずして考え、実行するというのは重要なことだと思います。このニュースを聞いて、つくづく考えさせられました。