東京店の川本です。
サマソニ10周年の参加アーティスト話題の第二弾です。前回紹介したマイケミとならんでデカ文字で名を連ねているフレーミング・リップスは、アメリカ・オクラホマ出身のバンドです。1983年デビューと結構活動歴は長い彼らですが、認知がぐっと上がったのは1999年のアルバム「The Soft Bulletin 」からでした。
それまではライブスタイルが非常に独特で、幻想的かつ、エンターテイメント性の高いパフォーマンスという評価はあったものの、同時に再生しないといけない4枚組アルバムをリリースするなどちょっと風変りなバンド、といった印象のバンドでしかありませんでした。
それが9枚目となった「The Soft Bulletin 」からは、名プロデューサーのデイヴフリッドマンのスタジオ錬金術によって、ヘタウマ演奏にテープやシンセサイザーが重なった美しいポップミュージック絵巻となったのです。
サマソニは02年、06年に続いて3回目の出演となりますが、06年のパフォーマンスはとても印象に残っています。彼らの前に出演予定だったキーンが急遽キャンセルがアナウンスされると失望のリアクションが観客席に充満しました。すると2曲だけですが、フレーミングリップスの予定外インプロ・ステージがあったのです。必殺盛り上げチューンの「ボヘミアン・ラプソティ」をぶちかまし、キーンのヒット曲を伴奏して観客に合唱させたのでした。勿論本編もよかったのですが、そのオマケ余興は彼ららしいサービス精神にあふれた粋な趣向でした。
今回も屋内の出演になるのかもしれませんが、サンタや動物の着ぐるみで登場し、大小のバルーンが飛び交う前回のステージは、生を祝福する異空間集会のようでした。あの高揚感で窒息しそうな感覚をまた味わってみたいと思っています。