東京店の田上です。
今年6月末、百貨店の建物として初めて重要文化財指定を受けた高島屋東京店で、建物の見どころを見学する「東京店建物ツアー」が開かれたそうです。案内役であるコンシェルジュの説明を受けながら約1時間かけて回るもので、1日に3回の行われるというもの。
1933年(昭和8年)に建てられた高島屋東京店は、創建時の和洋折衷の設計様式と近代建築の手法を駆使した増築部分が一体となっており、意匠的にも優れていることが重文指定の理由とされています。
一回あたり10人前後が参加するこのツアーでは、創建時の面影を残す吹き抜け部分の柱の大理石の特徴をはじめ、重文建築物として評価されたポイントごとに、「コンシェルジェ」が説明してくれるそうです。
消費マインドの低迷による百貨店業界苦戦が伝えられています。特に7月は1965年の統計開始以来最大の減少率を記録しました。不況による買い控えに加え、天候不順で夏物衣料が不振だったのが響いたということですが、買い物と同時に建物の文化的な価値の両面を楽しんでもらおうというこの試みは、少しでも集客に効果が表れて欲しいという期待がにじみでているようです。